古代伝説の 名草戸畔を訪ねて 名草山

おまいり

およそ二千年ほど前 和歌山の名草山一帯の豪族の女性首長であった 名草戸畔(ナグサトベ)をご存じでしょうか。

ある時ふとなぜか 名草姫命(なぐさひめのみこと)がとても気になりまして・・・。
名草姫命は名草彦命とともに 中言神社(なかごとじんじゃ)をはじめ 名草山の周辺各地でお祀りされてる女神様で 以前から私も大切に敬ってる神様です。
名草山は和歌山市に位置し 西は和歌浦湾 東は田んぼが広がり小高い山々があります。

今一度 名草姫命を調べてみると
神武天皇の東征の頃 名草邑(なぐさむら)に実在した女性首長 名草戸畔のことを知りました。名草邑は現在の和歌山市と海南市の辺りで 戸畔(とべ)とは女性首長のことだそうです。
名草戸畔の生涯については 日本書紀に記されてる事と 神社や村による伝承には違いがあり 以前から論じられてる事も知りました。ある程度は調べる事ができたので 名草戸畔ゆかりの地をお詣りすることに・・・。

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まずは 名草戸畔の本拠地であったとされる 名草山の麓にある吉原の中言神社へ。
新緑の名草山を背に神社があり 山中から響く小鳥のさえずりが清々しい早朝 いにしえに想いを馳せながら感謝の手を合わし祝詞を捧げました。一礼して振り返ると昇り始めた太陽が眩しく 澄み渡るような ありがたい ひとときでした。

そして名草戸畔ゆかりの次の地 海南市の高倉山の麓 宇賀部神社「おこべさん」へ。
こちらはフィリピンのルバング島で戦後も潜伏し最後の日本兵として知られた小野田寛朗さんの御本家で、神社には 厳しい人生を生き抜いた小野田さんからの力強く心に迫るメッセージがあふれています。みずみずしい緑に囲まれ尊い教えも頂いて ありがたかったです。

次のゆかりの地は 同じ高倉山の南側の麓 杉尾神社「おはらさん」。
玉輪山とも言われる高倉山の中腹まで登り拝させて頂け お山の氣を感じながら感謝のお詣りでした。

そしてさらに南に向かい ゆかりの地 千種神社「あしがみさん」へ。
こちらには お地蔵様が中に巻かれたまま大木となった楠があり 今まで幾度も訪れているのですが 名草戸畔ゆかりとは知らなかったので 想い新たに手を合わしました。以前から御祭神がこちらでしかお目にかからない名で不思議に思ってたのですが腑に落ちるところがありました。

おこべさん おはらさん あしがみさん は 名草山の南東の方角に北から南に並ぶように位置しています。無事に三社をお詣りさせて頂いて 再び吉原の中言神社へお礼に戻ると 早朝は静かだった神社は太陽が照る昼過ぎとなり 境内そばは地元の方達の憩いの場のようで次々に集まって来られて賑やかです。私も談笑の輪に入れさせて頂いて和やかな ひとときでしたよ。

それから予定外だったのですが 名草山に登らせて頂くことに。
竹林を抜けて豊かな雑木の中 汗をかきながら山頂まで登ると 和歌浦の海が一望の素晴らしい景色が広がります。途中や山頂で出会った方にお話しを伺うと 周辺の方々で毎日や隔日に登られてるとのことで感心しました。名草山は いにしえより今も 愛される神様のお山なのだと想いました。

おだやかな ありがたい一日で 無事にお詣りできて ほっとしました。
・・・と思ったのも束の間、気になる神社が出てきたので後日行くことに。

それは伊太祁曽神社。日本全土に木を植えて廻られたとされる“木の神様”をお祀りされてます。以前から幾度もお詣りさせて頂いてる神社ですが 新たに観点が広がり 感謝の手を合わせました。
その日は伊太祁曽神社と繋がりある紀の川市の大国主神社へお詣りし、また後日は名草山麓の竈山神社と静火神社へ。

お詣りがお詣りへと次々に派生していき 名草姫命を想い 名草戸畔を想い ゆかりであろう地をあちらこちら巡り 以前からお詣りしていた神社もふくめ 点と点が繋がったようにも思いました。

各地を巡った後 読みたいと思っていた本を手にしました。
「名草戸畔 古代紀国の女王伝説」著者 なかひらまい
とても貴重な事が記されていて より深く知る事ができて ありがたく読ませて頂きました。

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名草にまつわることに限りませんが 歴史書物に記されてる事が真実とは限らないと思います。歴史を顧みると 世は常ならず。国を造り 国を守り 戦い、真実はわかりませんが 脈々と繋がれ歴史を重ね今現在があることは事実でしょう。
そして神様は 人間には計り知れない概念そして叡智を超えた存在でおられると思います。

神の世界は 過去 現在 未来 時空を超えての世界なのでしょう。
人間世界は 過去があり現在があり未来があります。

歴史とともに命が繋がれ今を生きる私達。
神 自然 祖先 時の流れ 想いを馳せて感じたり教えを頂いたり学んだり その地を訪れ敬い巡らせて頂くことの ありがたみを想います。
名草邑は私自身の所在地と重なり 日頃からお詣りさせて頂いてる神社仏閣が多数あり これからも感謝の手を合わし歩ませて頂ければ幸いと思います。

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遥か太古 名草山は 海に浮かぶ島だったそうです。

いにしえより 名草戸畔が愛し 村人が愛し 悠久の時を超えて佇む 聖なる名草山は 歴史すべてを みておられることでしょう。

心より感謝を込めて
            合掌

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